生須芳英個展

2021年7月6日(火)~13日(火)17:00~22:00
10日(土)、11日(日)は13:00~22:00
11日(日)17:00よりトークショー
ゲスト:トモサカ アキノリ

「姫の中の姫のあなたと乞食ものの私、お互い飽くことなく幸せだった、幸せ者同士惹かれあったんだねーーー

 いったん、ロウソクに火をつけたなら。誰もその火を机の下に置いておく人はいない。
 晩餐の机の上に置かれて、そして、食卓をささやかに照らす、炎。

 太陽のあげる火炎のコロナ。
 それは、あまりに熱いプラズマの炎。
 古代神号セウス(Θεός)に、ラテン語のセクサス(séksus)【切断】で、sex、セックス。
 つまり、私たちはふたたび一つになる必要があるんだ。

 なんとまぁ、古代ギリシャの哲学者たちは、愛し合うもの同士が、お互いくっついて離れないあまり、餓死するのではないか、と心配した。
 汲んでも汲んでも、尽きることのない泉としての愛。

 そして、広大無辺の愛の器は、満ち満ちる透き通る水の溢れるように、満足を知っていて。
 満足を知っているからには、永遠に満足しているのだろう。

「この解体した世界のなかでは、《愛する存在》こそが、生命の熱へ人を返す美徳を保ち続ける唯一の力になったのだ。(G・バタイユ)」

プラトーギャラリーで二度目となる生須芳英個展『宇宙国の燦燦(さんさん)会』。恋愛を通して、生命の存在、そして宇宙の秘密に迫ろうとする作品とその制作は「愛」の儀式であり、今や瀕死の状態にある芸術をよみがえらせようとするものです。〈恋人たちの真の世界〉で描かれた作品を、天の川輝く七夕の時期に開催される本展でぜひご覧ください。